No.102 H17.10.15

 先日あるスポーツ雑誌に北海道日本ハムファイターズのダルビッシュ投手のインタビューが掲載されていました。その中に興味深い一言がありましたので,今回はそれを紹介したいと思います。

 その記事はダルビッシュ投手のプロ1年目を総括する内容だったのですが,僕が興味を抱いたのは,彼と新庄(SHINJO)選手の会話でした。

 ある日の試合前にダルビッシュ投手がチームリーダーでもある新庄選手に「新庄さん,今日も頑張ってくださいね!」と話しかけたそうです。そうしたら,新庄選手は「頑張るだって??楽しむの間違いだろ!!」と真剣な表情で語っていたそうです。

 もちろん新庄選手はその試合を不真面目にやっていた訳でも手を抜いていた訳でもありません。彼自身守備では超一流のプレーヤーですし,打撃も勝負強さを兼ね備えています。しかし,彼は常にファンを喜ばせることを考え,さらに自分自身も共に野球を楽しもうとして試合に臨んでいます。

 結局,どの世界でも何をやるにも「心のあり方」が一番大切なのだと再確認しました。何かをやる時にそれを『義務』ととらえてしまう人間と,どうせやるならそれを『権利』として楽しもうとする人間。この意識の違いが人生にどれほどの差をもたらしてしまうのでしょうか。

 受験勉強もまた同様です。それを『義務』として嫌々取り組むのか,それとも『自分で選んだ道=権利』として前向きに取り組むのか,この違いが合否を分けるのは言うまでもありません。しかし,残念ながら人間は後者にはなかなかなれません。実感として,9割以上が前者のような気がします。でもだからこそ,僕は塾生に後者の考え方を身につけてもらいたくて,同じ事を様々な角度からあらゆる学年で伝えています。

 たった一度きりの人生。卒業生も含めた塾生全員が自分で選んだ道を悔いなく思いきり生きられればどれだけ素晴らしいだろう,と僕は改めて思います。