先日とある本の中でとても興味深い事にめぐり会いました。今回はそれについて書いてみたいと思います。
皆さんもよくご存知のパパイヤ鈴木さんという振付師のところには、弟子入りを希望する者が後をたたないそうです。しかし残念ながら彼は弟子を必要としていないために、それを一切断っているのだそうです。ところがある時、彼の心を魅きつけた若者が現れました。その若者はなんと「私は100パーセント雨を降らせるダンスを踊ることができます」と言ったそうです。そこで興味深くその男のダンスを見てみたところ、彼はごくありふれたダンスしか踊らなかったのです。
パパイヤ鈴木さんはもちろん尋ねました。「なぜそんな踊りで100パーセント雨が降るの?」と。すると彼は事もなげにこう答えたそうです。「僕は雨が降るまでずっと踊り続けますから」。
僕はこの話を読んだ時、「なるほど」と心が軽くなりました。そして、これこそ来年の創優会のテーマになると確信しました。
すなわち、合格したい人は『合格できるまで(合格できるだけ)』勉強すればいいのです。「落ちたらどうしよう」などと嘆いている間に少しでも多く勉強すればいいのです。あるいは、成績を伸ばしたい人は『成績が上がるまで(成績が上がるだけ)』勉強すればいいのです。「自分は頭が悪い」とか、「自分は覚えられない」とか言っている間に、やれるだけやってみればいいのです。
創優会に入ったきっかけは皆同じであるはずです。「合格したい」という一心に違いありません。ところが知らないうちに勉強が義務になってしまう。自分からやるはずの勉強が、させられる勉強になってしまう。本来なら合格するまでずっと続けなければならない勉強なのに、それほど頑張っていないにもかかわらず「このやり方は自分に合わない」などと言い出してしまう。勉強を続けることができない理由を次々と考えてしまう。勉強しないからできないだけなのに、「勉強してもできない」などと不安を感じたりしてしまう。もう悪循環そのものであり、言い訳のオンパレードです。それでは成果を手にできる訳がありません。
来年僕はもっとシンプルに指導しようと思います。「合格したかったら、合格できるまで(合格できるだけ)勉強しなさい。そのために塾に入ったのだから」と。もちろん僕も合格できるまで(合格できるだけ)指導し続けようと思います。しかし、生徒の側にその覚悟がなければ僕の思いも空回りするだけです。「合格という頂上を目指して」ではなく、「合格という頂上にたどりつくまで」精一杯頑張ってもらいたいという気持ちが、今はとても強くなっています。
結局、「自分に言い訳しない」ということが一番難しく、また一番大切な事なのかもしれません。
来年は僕も自分に言い訳することなく、逃げ場を作らず、自分をとことん追い込むような1年にしたいです。また、その方が実は何事も楽しいのではという気にもなっています。
今年も1年間当欄にお付き合いいただきありがとうございました。来年もまた折々に書きたいことを書きたいように書き続けようと思っています。よろしければまたお付き合い下さい。
それでは皆様よいお年をお迎え下さい。
