先日ある本を読んでいて「我意を得たり」と感じさせられた言葉に出逢いました。
それは「『成功』の反対は,『失敗』ではなく『妥協』である」という言葉です。目にした瞬間,まさに目からうろこが落ちました。というのは,「失敗は成功の母」ということわざを出すまでもなく,数々の失敗が大きな成功をもたらすという確固たる事実を鑑みた時,僕の中ではずっと「確かに成功と失敗は対義語だけれども,どうも納得いかない」という思いを抱いていたからです。そこに,この言葉が飛び込んできたのです。実際,妥協は何も生み出しません。ただ後退してしまうだけです。失敗は次なる成功につながる可能性をはらんでいますが,妥協にその要素は皆無です。見事なまでに正しい言葉です。
ただ,この言葉は共感の念を抱かせただけでなく,僕に更なる思考も促しました。その結果僕なりにたどり着いたのが,「『成功』と『失敗』は同義語なのではないか」という結論でした。
例えば,第1志望の高校に合格した生徒がいたとします。それは確かに成功でしょう。しかし,その成功にあぐらをかき,高1や高2で遊んでしまって,大学受験に失敗したとしたら(この類の生徒は北海道では過半数を超えるのではと想定しています),高校合格という成功が実は失敗の始まりだったということになります。
逆に,高校受験で失敗しても,その失敗をバネにして見事第1志望の大学に合格したならば,高校受験の失敗が大学合格の始まりということになります。
つまり,成功と失敗は「ある時点で確定してしまうもの」ではなく,「その後の自分の頑張り次第でどうにでもできるような『形を変えていくもの』」だと思うのです。失敗は自分の力でいくらでも成功へと変えられ,また成功も自分の不甲斐なさによりいくらでも失敗へと変わってしまうということです。
そう考えると,真の成功者とは「どれだけ成功しても決しておごらず,絶えず謙虚であり続け,またどれだけの失敗をしたとしても,あきらめたり妥協したりせずに,地道な努力によっていつか成功へとつなげられる人間」なのではないでしょうか。
僕は「塾生のみんながどうしたら失敗を恐れずに頑張ってくれるのか」といつも考えてきました。僕自身,失敗から多くのことを学んで成長してきた人間なので,「やってもどうせだめだから」と本気で何もしようとしない塾生が歯がゆくて仕方がなかったのです。しかし,ついに答えが見つかりました。失敗は成功の反対ではないのです。むしろ,成功と失敗は「同じものを違う時点から眺めた違い」であり,故にそれは「表裏一体のもの」なのです。したがって,恐れるべきは失敗ではなく妥協であり,妥協さえしなければ必ず成功へと近づいているのです。失敗を恐れているくらいなら,自分の身の周りから妥協を排除してください。そうすることで,確実に成功に向かって進んでいけます。いや,妥協を一切排除した時点で,その人間はすでに「成功者」として歩み始めているのでしょう。
たった一度きりの人生。後で後悔することはないように,そして塾生のみんなが「成功者」となるように,今日という日を大切に過ごしていってほしいものです。精一杯頑張れば何事も必ず報われると僕は信じています。
〈今週のMVP〉
今週は,残念ながら該当者なしです。
まだまだ「自分で自分の勉強をしっかり管理する」ということが浸透していないようです。
来週に期待します。
