20日の月曜日,道新の朝刊に春期講習生募集チラシが入ります。今回はその1回しかチラシは出さないのですが,塾という存在に対する僕の願いを込めた内容になりました。特に,塾業界では珍しい「締め切りをしている理由」について少し長めの文章を載せています。
実は,塾業界の社長さん,つまり塾長さんの中で実際に授業をしているのは20パーセント弱といわれています。すなわち,現場で生徒たちを日々直接指導している僕のようなタイプは,かなり少数派ということになります。したがって,普通の塾長さんは「生徒の成績が伸びる」ということに関してはかなり無頓着のようで,とにかく「今の生徒数が何人か」ということばかり気にしているようです。
そのこと自体は,経営者として当然なのかもしれません。しかし,僕はどうしても首をかしげてしまいます。なぜなら,塾は「教育業界」に属しているからです。
僕は以前から,「教育業界」と「医療業界」は金儲けの手段とすべきではないと考えています。それらはいずれも,単に重要であるにとどまらない,「人の弱み」にかかわることだからです。もちろんそれを商売とする以上は利益を上げなければならないのは言うまでもありません。しかし,「利益を上げることを第1目標とする」考えには断固として反対したいと思っています。ところが無免許で始められる手軽さからか,この業界には教育に関してあまりに無知であり,かつ理念にかけた人間が数多く関わりすぎています。「お金が全て」といった価値観を有している人間もかなりの確率で紛れ込んでいます。そのような人間がこの仕事に携わり,人生において極めて重要な時期を過ごしている子供たちに日々影響を及ぼし続けているということが,どれほど子供たちにとってマイナスになるか,ということを考えただけで僕は恐ろしくなってしまいます。ほとんどの塾にとって「教育など最初からしようとしていない。塾は簡単に金儲けできそうだから始めただけ」というのが実情なのです。悲しいことです。
逆に言うと,創優会が「締め切り」をしている理由も実はそこにあります。教室にはまだ余裕があってもある程度の人数で締め切るのは,僕の中で「金儲け」より「生徒たちを育てなければならない思い」が優先しているからです。実際,高校部の英文読解ゼミは3名で締め切らせていただいています。
色々と書きましたが,塾業界に限らず大人たちが「理念」を持って日々生活するだけで僕はこの社会は変わってくると確信していますし,その社会ではホリエモンのような人間も生まれにくいと思います。したがって,塾生たちに「理念とは何か」「理念がどれほど重要か」といった事を教えていくのも,創優会がなさなければならない最重要な仕事の一つであると認識しています。塾生全員がどんな世の中でも生き抜いていける力を蓄えられるように,僕自身これからも教育に対する意識を毎日高めていきたいと思っています。
〈今週のMVP〉
今週は道コンで2回続けて全道100位以内に入り,道コン事務局から賞状が贈られた中3クラスの佐久間英喜君を選びました。結果もさることながら,勉強に対する姿勢をより高く評価しました。受験でも見事に第1志望高合格を勝ち取ってください。
