No.128 H18.5.20

 「子供は大人の真似しかできない」僕はそう考えています。すなわち、それは子供が自分で新しい価値を創造することはなく、ただ周囲の大人の価値観を受け入れるしかないということです。なぜかというと、子供には大人が有している価値観の是非を判断するだけの知識も経験もないからです。大人でも新聞やテレビのニュース番組が間違ったことを報道するはずがないと考えてしまいがちなのと同様に、子供達も「まさか大人たちが間違っているはずがない」と周囲の情報を鵜呑みにしてしまうのです。

 「子供は大人の真似しかできない」教育界においてそれは大前提としてとらえられています。例えば、子供は真似しかできないから大人が最低1度は何でもやって見せてあげなければならないということになります。これは全くその通りで、僕自身も英語ではそのやり方を使って指導しています。何回か見せてあげると、大体の子供たちはできるようになります。教育の根幹をなす考え方の1つだと思います。

 ところが、「子供は大人の真似しかできない」ということが残念ながら子供から成長を奪うということもまた確たる事実です。それは、「本当に大人の真似しかできない子供」になってしまうからです。

 「大人の真似しかできない子供」が「大人の真似以外に何もできない子供」になってしまう。教育が抱えている問題の大半はここにあると僕は考えます。つまり、「真似しかできないはずの子供」をどこかの時点で「真似以外のこともできる子供」へと変えていかなければ、結局、「本当に真似しかできない子供」となり、結局「何も自分の頭で考えられない大人」となってしまうからです。

 では、どうすればいいのでしょうか?その答えは僕自身にとっても極めて難解なものです。現時点で確かなものは何一つわかっていません。というよりも、恐らく普遍的な答えは存在せず、もしあるとすればされは生徒の数だけ存在するのだと思います。したがって、一人一人の塾生に合った答えを逐一考えていかねばなりません。

 でも、生徒たち一人一人のレベルにまで掘り下げて教育するという「応用問題」に挑めるのは限られた教育機関にしかできないことだと思います。少なくとも、1クラス25名以上いるような学校やただ勉強を教えるだけの塾には不可能な難業だと思います。しかしだからこそ、創優会はそのレベルで教育に取り組んでいきたいと思っています。

このテーマに関しては、今後も度々取り上げていきたいと思っています。

〈今週のMVP〉

 今週は漢字テストで4回続けて満点を取り、さらに実力テストでも高得点で1位を獲得した小6クラスの上浦由莉子さんを選びました。彼女は勉強に対する姿勢がとてもパワフルな女の子です。今後も期待大です。