3週続けて「人の役に立つこと」と「人に喜んでもらうこと」、
そして「自分のやりたいこと」について書きました。
今回はそのしめくくりとして、
「自分のやりたいことをやるということ」について思うところを書いてみたいと思います。
最初に述べておきたいのは、
「自分のやりたいことをやる」というのは大変なことだということです。
たとえばそれは、「答えはだれも教えてくれない」という難しさです。
自分のやりたいことの答えを他人が知っているはずがないからです。
あるいは、自分でやりたくて始めるのですから、
「失敗した時にはすべての責任を自らが負わねばならない」という厳しさもあります。
さらに、頼れるのは自分しかいないという「孤独感」を味わい続けるという側面もあります。
このような困難をなるべく味わいたくないという人には、
「やりたいことをやる」というのはもしかしたら難しいのかもしれません。
実際に、この世界には様々な人間がいるわけですから、
そういう人がいてもまったくおかしくありません(やりたいことがすべてではありません)。
けれども、それに勝るとも劣らない魅力があることもまた事実です。
それは、「自分のやりたいことは自分にしかできない」ということです。
つまり、「自分のやりたいこと」は他のだれにもできないのです。
たとえば、医師を目指す学生が大勢いるとしても、
「こういう医師になりたい」「こういう医療を手がけたい」という具体的なイメージは
みんな異なっているはずです。
ということは、「自分のやりたいこと」というのは、
自分がやらなければこの世界に決して現れないということになります。
そういうところに僕は大きな魅力を感じます。
人生というのは、たった一度きりです。
ということは、「自分という存在」も自分以外には決して存在しないということになります。
そうであるならば、「たった一度きりのこの人生で自分のやりたいことをやる」というのは、
まさにオンリーワンであり、正真正銘のかけがえのないことなのだと思います。
まして、その「かけがえのないこと」で
だれかの役に立てたりだれかに喜んでもらえたりするのであれば、
もうこれ以上は望めないというほどの幸せを感じられるのではないでしょうか。
「自分のやりたいことをやる」ということには困難も伴いますが、
それ以上に喜びややりがいももたらしてくれると僕は信じています。
「自分のやりたいことをやるというのは確かに苦しいけれども、
だからこそ面白いし、やりがいにもつながる」というのが僕の偽らざる実感です。
いつか現塾生のみんなとも「やりたいことをやっていられるという有り難さ」について
お酒を飲みながらでも語り合ってみたいですね。