No.28 H28.12.3

毎年書いていることですが、大切なことなので、今年も書いてみようと思います。

 

「受験に競争なんてない」

 

こう書くと、「そんなはずはない」と思われる方もいらっしゃると思いますが、

実際、受験に競争はありませんし、これは厳然たる事実です。

でもだからと言って、受験が簡単なものだと言いたいのではありません。

あくまで、「受験には競争はない」と言いたいのです。

 

というのは、合格するのに必要な得点は毎年ほとんど変わらず、

倍率よりも問題の難易度の差によってわずかな上下動があるくらいだからです。

したがって、毎年の合格最低点に20点ほど上乗せしたところを目標として、

「その目標点に達すれば合格できる」というように考えるのが

受験に対する正しい考え方になるのです。

 

そう考えれば、だれとも競争することはありません。

「自分が目標点に達するかどうか」だけが焦点になるのですから。

あるとすれば、それは「自分との戦い」だけでしょう。

自分に勝つか、それとも負けるか、

あるのはただそれだけです。

というわけで、「受験に競争なんてない」のです。

 

実のところ、「受験は競争だ」や「受験戦争」などという言葉をまき散らすことで

生徒や保護者をあおり立て、少しでも多くの生徒に1日でも早く塾に来てほしいという、

単なる「塾業界の都合」に過ぎないのです(僕はそう考えています)。

 

では、受験が競争ではなく自分が目標点に達するかどうかの戦いだとして、

その上でポイントになるのは、

やはり「想像力=イメージする力」だと思います。

前回も書きましたが、この力が足りなければ、どうしても勉強全体があいまいになってしまうので、

目標点に到達するのが難しくなるのです。

 

 

したがって、

「受験とは競争ではなく、どうすれば自分が合格できるかを具体的にイメージできるかどうかの勝負」

というのが結論になります。

 

勉強をしていない受験生はいません(そもそも受験学年で勉強していない生徒は受験生ですらありません)。

だからこそ、勉強を「どのようにするか」の部分で差がつくのです。

 

だれかとの競争ではなく、自分との戦いということを念頭に置きつつ、

たえず「自分はどうすれば受かるのか?」をイメージしながら勉強することが、

合格の秘訣だと僕は思います。

 

すべてはイメージから始まり、イメージできないものは実現できないのです。