No.434 H25.5.11

5月5日に長嶋茂雄さんと松井秀喜さんへ国民栄誉賞が授与されました。

 

物心ついた頃からの巨人ファンである僕にとってこの2人の受賞は大きな喜びであり、

授賞式も始球式も感動的だったのですが、

特に印象深かったのは、松井さんのスピーチでした。

 

昨年末の現役引退会見でのコメントも見事でしたが、

このたびの受賞スピーチも実に素晴らしく、彼の人格の素晴らしさを如実に表していたように思います。

 

彼のスピーチは僕に「努力は人をこれほどまでに成長させるものなのか」と実感させてくれました。

 

そもそも高校を卒業するまで18年間野球ばかりやってきたわけです。

さらに、プロ野球選手として20年間野球に明け暮れてきたわけです。

もちろん人前で話す練習などしているはずもありません。

それなのに、あのスピーチです。

5万人の観客を前にして、申し分のないスピーチでした。

 

野球に対する長年のとてつもない努力が松井秀喜という人格を絶え間なく磨き上げ、

その人格が彼にしかなしえないスピーチを可能にさせたのでしょう。

 

どんなに真剣に努力し続けても、思うような結果が手に入らないことがあります。

どれほどひたむきに努力しても、その努力に見合う成果がもたらされないこともあります。

でも、もしそうだとしても、その努力に見合うだけ人格は高められる。人格は磨かれる。

そういうものだと思うのです。

 

それで十分なのではないのでしょうか。

結果や成果というものは、その付加価値にすぎないのではないでしょうか。

 

努力というものはしたい人だけすればいい。

したい人がしたいだけ努力する。

それがささいなものであればささいな分だけ、

それがとてつもないものであればとてつもなく、

人は磨かれる。

 

そう考えると、努力ってかっこいいものに思えてきます。

そのことを心の奥底から実感させてくれた松井さんに感謝です。