「相手の立場に立って考えてみる」
ご存知のとおり、道徳教育でよく用いられる言葉です。
人として生きていく上で、確かに大切なことだと思います。
でも同時に、この言葉は受験においてもきわめて重要な要素となり得るのです。
なぜなら、受験においてこの言葉は
「出題者の意図を読み取る」ということと同義であるからです。
最近、英語を教えていていつも心に浮かぶのが、
「この子たちは『どのように出題されるのか』についてどうして何も考えないのだろう?」
という疑問です。
ただ勉強して、ただ覚えて、ただ問題を解いている子が多すぎるのです。
あらゆる設問には「出題者の意図」が反映されています。
特に良問であればあるほど、その傾向は強くなります。
したがって、「出題者の意図」を読み取れれば、勉強が格段にしやすくなるわけです。
そして、良い結果も出しやすくなるのです。
それだけにとどまりません。
こういう生徒は僕が思うに、将来間違いなく仕事ができるようになります。
「相手の立場=相手が自分に求めていること」を理解できるのですから。
こうして、あらゆるところにつながっていく確かな力となるのです。
でも、そんなことはお構いなしに、ただなんとなく勉強している。
ただなんとなく考え、ただなんとなく解いている。
そういう生徒を見ているのが、僕には残念でならないのです。
「自分本位」というのは、人間関係においても受験勉強においても、
「思考停止の一形態にすぎない」と思うのは僕だけなのでしょうか…。