No.482 H26.6.14

先週末、ある卒業生が遊びに来てくれました。

現在彼は横浜国立大学の4年生で、無事に就職活動を終え、報告に来てくれたのでした。

 

僕にも経験がありますが、就活というのは苦しいものです。

なぜなら、「自分自身と徹底的に向き合わねばならない」からです。

自分が何者であるかがわからなければ、

志望すべき業種も希望すべき職種も皆目見当がつきません。

 

しかも、その難しさは受験勉強の難しさとは全く異なるものです。

「答えが必ず1つ用意されているという受験勉強」と

「自分自身がいったい何者なのかという自問自答」とでは難しさの次元が違いますし、

小さい頃から勉強における問いに慣れてしまっている大学生にとっては、

なおさらどうしたらいいのかわからなくなってしまうものです。

 

彼も同じような境遇だったと思います。

自分がわからない。何をどのように考えればいいのかもわからない。

その結果として、

それまでだったら気にもしなかったはずの、友人の言葉が妙に心に引っかかったり…、

それまでだったらどうでもよかったはずの、本やネットからの情報に心を乱されたり…。

そういう自問自答を繰り返す日々は、確実にかつ着実に人を精神的に追い込みます。

 

でも、彼はその試練を乗り越えて、就活を終えました。

苦しみながらも、あたりまえのことをあたりまえのようにやり切ることによって、

先が見えない就活の試練を真正面から乗り越えたのです。

 

彼の眼には、「試練を乗り越えた者にもたらされる自信」が宿っていました。

 

その彼を見て、僕は再認識しました。

「人を成長させるのは試練であり、その試練こそが自信をもたらす」という真実を。

 

試練や逆境は決して「ピンチ」などではなく、「チャンス」にほかならないのだと僕は思います。

このことの意味を彼もよく理解してくれることでしょう。