No.543 H27.12.5

最近読んでいた本にこんな言葉がありました。

 

「すぐに役立つものは、すぐに役立たなくなる」

 

僕は思わずうなりました。

「すぐに役立つもの」ばかり手に入れようとする、

そしてそれはすぐに役立たなくなる(使い捨てられてしまう)という、

今の世の中の問題点をたった一言で言い表した、まさに至言だと思います。

 

でも、このことを裏返して言うと、

 

「いつまでも役に立つものは、すぐには役立たない」

 

ということになります。

 

そして、「すぐに役立たない」からこそ、今はあまり欲しがられないのです。

 

でも、本当に大切なものは「いつまでも残り続けるもの」だと考えるならば、

「すぐには役立たないけれど、一度身につけばいつまでも役に立つもの」こそ、

真の価値があるのだと僕には思えます。

 

創優会に引き続き、学びの森でも大切にしていきたいのは、

結局のところそういうものです。

 

手に入れたお金は、使ってしまうとなくなります。

いや、本人が使わなくても、奪われたり盗まれたりすることも起こり得ます。

それゆえに、大富豪から自己破産という転落人生が現実に存在するのです。

 

でも、「学ぶ心」や「学ぶ力」はどうでしょう?

本人がいくら使ってもなくならないどころか、強化されていきます。

そして、誰かに奪われたり盗まれたりすることもありません。

「学ぶ心」や「学ぶ力」とはそういうものです。

 

だからこそ、学びの森で伝えてきたいのは、

「すぐには役立たないけれど、一度身につけばいつまでも役に立つもの」としての

「学ぶ心」と「学ぶ力」なのです。

 

「学ぶ心」が身につけば、目に見える世界が一変します。

それは実に豊かな素晴らしい光景として目に映ります。

その結果、「この世界は生きるに値するのだ」と実感できます。

 

「学ぶ心」が身につけば、なんでも自分の力で経験してみたくなります。

その力を試してみたくなるのですね。

その結果、主体的で積極的な人間になれるのです。

さらに、人に役に立てる人間にもなれるのです。

自分から行動できる者だけが他者や世界に影響を及ぼせるのですから。

 

「すぐには役立たないけれど、一度身につけばいつまでも役に立つもの」

この考え方そのものも僕は大切にしていきたいと思っています。