「無知の知」という言葉があります。
文字通り、「自分が何も知らないということを知っている」という意味です。
以前から大切なことだと思っていましたし、実際自分は何も知らないなとも感じていましたが、
特に先々週の研修期間から以前にも増してひしひしと感じられるようになりました。
国語も英語も25年以上指導してきたが、果たしてどれくらいのことがわかっているのだろうか?
確かに生徒たちは公立トップ高や難関国公立大学に数多く合格してくれているけれども、
学問的本質という点においては、
自分はもしかしたら国語も英語も何一つものにしていないのかもしれない。
経営にいたってはまだまだしょせん15年目だから、それ以上に何もわかっていないのかもしれない。
さらに教育に関していうと、あまりにテーマ自体が深遠すぎて、
25年くらいではまだまだ教育の「き」の字もわかっていないのかもしれない。
長く携わってきたことでさえこの有り様だから、
それ以外のことに関しては文字通り無知に等しいのかもしれない。
このように、自分の「無知の知」が殊更に感じられるようになったのです。
かと言って、それで気落ちしたりしているわけではありません。
むしろ物事に対して謙虚な気持ちになれるというか、
素直な気持ちで取り組めるような気がしています。
「自分は知っている」と思っているよりも「自分は知らない」と思っている方が、
あらゆることに対して心が開かれる、開かれていく。
この感覚自体が新鮮ですし、
こういう気持ちでいることが成長につながっていくのだとも思います。
自分を戒めるという意味でも、自分の成長につなげるという意味でも、
あるいは文字通りの事実としても、
「無知の知」という言葉と認識を日々大切にしていきたいと思います。