NO.76 H30.1.27

毎年書いてきたことですが、やっぱり今年も書いてみようと思います。

 

「受験に競争なんてない」

 

受験は「競争」だとよく言われます。

「受験戦争」と呼ばれることさえあります。

 

けれども、本当にそうなのでしょうか?

白状すると、僕もこの仕事を始めて2年目くらいまでは

周りに言われるがままになんとなくそう思っていました。

でも、毎年受験に携わり続けるうちに、

「これは競争なんかじゃない」と思えるようになってきたのです。

しかも、その思いは年々強まっていきます。

 

競争というのは、文字通り「きそいあらそうこと」なのですから、

それは他者と繰り広げられるものです。

でも、受験って、合格って、本当にそういうものなのでしょうか?

 

たとえば、札幌南高の合格に必要な内申点と当日点は毎年それほど変わりません。

問題の難易度と倍率によって、当日点が前年より多くても10点ほど上下するだけです。

ということは、「※前年の合格最低点」に10~15点ほど上乗せするだけで

まず間違いなく合格できる点数になります。

それだけではありません。

進学後、南高の授業にしっかりとついていくレベル(320人中80位くらいと言われています)まで考えると、

「※合格者の平均点」に10~15点ほど上乗せすれば、

それが「南高に合格するだけでなく、しっかりとついていける生徒のレベル」ということになります。

あるいは南高でトップを目指したい(320人中20位くらい)のでしたら、

その「合格者の平均点」に25~30点ほど上乗せすればいいわけです。

(※学びの森はこのような高校入試のデータも、大学入試のデータもほぼ把握しています)

 

ここでみなさん、お気づきでしょうか?

今のこの想定に「他の受験生は一切関与していない」ということを。

 

これが「受験の正体」です。

受験には、他者は存在していません。

受験の合否には、他者は関与していません。

「合格最低点ギリギリ」を目指すから、他者との競争らしきものに巻き込まれてしまうのです。

したがって、受験にあるのは、ただ「目指すべき得点に自分が達するかどうか」だけです。

つまり、言わば「自分との戦い」なのです。

 

だから、僕はいつも生徒たちに「受験に競争なんてない」と言い続けているのです。

そして、これからもずっと言い続けます。

 

 

でも、それは受験に限られたことなのでしょうか?

 

オリンピックや一部のプロスポーツを除けば、

「競争なんてどこにもない」ように僕には見えます。

そこにあるのは、ただ「自分との戦い」だけなのだと僕には思えます。

 

だからこそ、他人に対してよりもまずは「自分に言い訳をしてはいけない」のだと僕は思います。