今週は、この欄ではあまり触れたことがない「各クラスの定員」について書いてみたいと思います。
それは、ある方に「本当に締め切りがある塾なんてあるの⁉」と驚かれてしまい、
どうやら学びの森はかなり変わっているらしいと今更ながら気づかされたからです。
ご存知の通り、学びの森には教室が2つあり、どちらも座席は18席です。
けれども、各クラスの定員は18人ではありません。
たとえば、今の中3クラスは去年の夏で締め切らせていただきましたが、在籍数は10名です。
つまり、8人分座席が余っているにもかかわらず締め切らせていただいたのです。
これは、僕と佐藤先生の「塾生一人ひとりに対して抱くイメージ」に基づくものです。
塾生と接する時、僕たちは常にあるイメージを抱いています。
それはたとえば、「この生徒はこういう風に育てたい」というものや
「この生徒はこういう風に伸ばしてこのレベルまで持っていきたい」といったものです。
何もイメージを抱かずに指導するということはほとんどありません。
すべての指導が「一人ひとりに対して思い描く具体的なイメージ」から始まるのです。
したがって、ある一定数を超えると、
「これ以上増えてしまうと思い描いていたイメージ通りにみんなを伸ばせない!」
という事態に直面してしまいます。
それは「塾生一人ひとりにきちんと目が届かなくなる」ということでもあります。
ですから、塾経営のことだけを考えればもう少し生徒を増やしたいなという場合でも、
「そのクラス全員をイメージ通りに伸ばせるぎりぎりの人数」でいつも締め切らせていただいているのです。
今年の中3に関しては、それが10名だったということです。
2003年の開校からこの春で16年目となりますが、18名いっぱいまで申し込みを受け付けたのは、
高校生全学年がひとクラスで学ぶ「受験現代文クラス」だけですし、
それはもちろん「このメンバーなら18人でもイメージ通りに伸ばせる」と僕が判断したからです。
こういった考え方は経営者としては失格なのかもしれません。
実際に、他業種の経営者の方から叱責されたこともあります。
それは「経営者は会社のために利益を最優先せよ」という考え方からです。
けれども、「この生徒をこういう風に育てたい」というイメージを僕はどうしてもおろそかにできないのです。
「この生徒はこういう風に伸ばしてこのレベルまで持っていきたい」という自分のイメージを大切したいのです。
それはやはり、通ってくれている生徒たちとその保護者の皆様に対する感謝の思いがあるからです。
そして、その気持ちがある以上、僕にはどうしてもできないことがあるのです。
それが僕の、きれいごとでもなんでもない偽らざる気持ちです。
とはいえ、上記の方のように「締め切り」という言葉に対してあまり良くないイメージを
抱かれる方もいらっしゃるかもしれません。
それはそれで仕方がないのかなとも思いますが、
実際のところは「目の前の生徒に対する責任を果たしたい」ということなのです。
この文章を読んでくれている方々の中にも
「学びの森にはなんで締め切りがあるの?」「本当に締め切っているの?」
と思われていた方もいらっしゃったかもしれません。
それで、一度書いてみようと思いました。
この文章で僕たちの真意をご理解いただけたら幸いです。