NO.82 H30.3.10

2/27(火)から学年末面談ということで保護者の皆様にご足労いただき、 様々なお話をさせていただいています。

話の中心はやはり「今の勉強の状態」なのですが、

今回は「伸びしろ」について話させていただくこともあります。

 

僕は「学力の伸び方」には3種類あると考えています。

 

①「学力が伸びる代わりに伸びしろがどんどん減っていく」伸び方。

②「学力がいくら伸びても伸びしろがまったく減らない」伸び方。

③「学力が伸びるのと同時に伸びしろ自体も増えていく」伸び方。

 

同じ「学力の伸び方」にもこれだけの違いがあるのです。

 

そもそも「伸びしろ」というものは「伸びるために使われる部分」ですので、

伸びれば伸びるほど減っていくのは当然と思われるかもしれませんが、

学力に関しては、僕はまったくそうとらえていません。

指導のあり方と生徒自身の勉強への意識次第で「伸びしろ」はいくらでも増減すると思います。

 

①は、「目先の試験の結果にとらわれてしまう」ことで生じてしまいます。

たとえば、定期試験の点数を取るために「丸暗記」ばかりしていると、

「伸びしろ」はみるみるうちに減っていきます。

それはもちろん「きちんと理解していない勉強」だからです。

「理解していないのに問題を解こうとしている」のですから、勉強そのものがかなり歪んでいるのです。

ただ残念なことに、こういった勉強が今はかなり蔓延しているのも事実です。

大半の生徒がこういう勉強をし、またそのおかしさに気づいてもいないと思われます。

 

②は、「生徒が土台から理解を積み上げていく」ことに徹底してこだわることで可能となります。

したがって、指導する側も丸暗記を一切排除して教えなければなりませんし、

学ぶ側も授業で理解するだけでなく、いつでもできるようにしっかりと復習する必要があります。

この方法では「伸びしろがまったく減らない」のですから、これはこれで一つの素晴らしい到達ですよね。

でも、1つだけ課題があるのです。

基本的に「言われたことをしっかりやる」というスタンスなので、

自分から勉強の方へと矢印が伸びていかないのです。

つまり、学ぶ側が「受け身」になってしまいがちなのです。

 

したがって、③の方法は「言われたことをしっかりやる」だけではなく、

「自分の勉強を自らの意志で積み上げていく」ようなものとなります。

それはたいてい「自問自答」の形をとって表れます。

たとえば、「どうすれば自分はもっと伸びていけるか?」という自問とそれに対する自答。

自分がわかっていない場合に「わかるまで考えようとする」のはもちろん

「自分の勉強自体にどこか欠陥はなかっただろうか?」という自問とそれに対する自答。

「自分が受験当日に力を出し切るためにはどうすればいいのか?」という自問とそれに対する自答。

他にもいくらでもあると思いますが、

「自問自答を絶えず繰り返していく」ことで、

「自分の勉強を自らの意志で積み上げていく(磨き上げていく)」ことができるのです。

②の勉強をする生徒と③の勉強をする生徒の決定的な違いは、

この「自問自答」にあると僕は思います。

 

色々と書きました(企業秘密にも少しだけ触れました)が、

僕が伝えたいのは「伸びしろごと伸ばしてしまう勉強のやり方がある」ということです。

そして、「劇的に伸びる生徒はほぼ例外なくこういった勉強をしている」ということです。

ただし、物事には順序がありますので、

まずは「言われたことをしっかりやれる」生徒を目指してほしいものです。