最近大手進学塾さんの夏期講習用チラシやテレビCMなど頻繁に目にするようになってきました。特に今年は,秀英予備校さんが北海道初進出を果たし夏期講習を無料にしましたので,他塾さんでも無料夏期講習を行うところが多くなりそうです。道新でも1面トップに取り上げていました。しかし,僕にとっては首を傾げたくなるようなことがいくつかありましたので,今回はそれについて書きたいと思います。
秀英予備校さんがこちらに来て以来,チラシはともかくDM(ダイレクトメール)や電話勧誘がさらに多くなっているということを方々から聞きます。それに対して僕は同業者として以前からずっと腹立たしく思っているのです。一体なぜ他塾さんでは電話勧誘やDMを頻繁にやり続けているのでしょうか? まず電話勧誘に関しては,塾以外の他業種でやっているのは先物取引や金融業等一般的にいかがわしいとみなされている企業ばかりで,とても真面目な企業がやるようなことではありません。まして教育関係の業種にふさわしいとは決して思えません。実際に高額な教材を売りつけたり,指導自体も親身なものとは程遠いところも数多く存在します。そのような行為を同業者がしていると思うだけに,僕は憤りを感じます。
つぎにDMです。ご存知の方もいらっしゃると思いますが,DMはいわゆる「名簿業者」から生徒名簿を高額な料金で買い取り,その宛先へ片っ端から手紙を送るという営業行為です。それだけでしたら目くじらを立てる程のこともないのですが,問題はその「名簿業者」があらゆるところから不正に個人情報を集め,それを商品化している全く不当で違法な業者ということです。したがって,いかに利益を上げるためとはいえ,そういった業者から名簿を買ってDMを出すというのは,僕としては教育に携わる者として考えられない行為なのです。いやむしろ,僕はそのようなことをしてまで創優会という塾をやりたいとは思えません。逆に,昨今では個人情報保護法が施行されているのにもかかわらず,そのような大人が子供たちになぜ「真っ当な大人になってほしい」などと願えるのでしょうか。生徒たちに「お金に代えられない大切なことを正しく伝えること」が教育関係者の責務であると僕は考えます。したがって,創優会はこれからも勧誘電話やDMのような集客行為は一切しません。
いろいろ書きましたが,「塾生たちは何のために創優会に通ってくれているのか」という本質的なことを僕はもう一度良く考え直してみたいと思います。そしてその上で,塾生やご父母の皆様方のご期待に応えるべくもう一度塾生一人一人と向き合ってみようと思います。そういう地道なことの積み重ねから決して目を背けず,今日からまた精一杯考え続けていきたいと思います。そうした地道な積み重ねこそ人間の成長に最も重要な要素の一つなのだと僕は信じていますし,創優会が塾生に伝えたいことの一つでもあります。
