No.92 H17.7.16

 先日あるテレビを見ていたら,アメリカ大リーグで活躍している松井秀喜選手の「夢に対する考え方」がとても興味深いものだったので,今回はそれについて書いてみたいと思います。

 「夢」に対して皆さんはどのような考えをお持ちでしょうか。「叶えてこそ意味のあるもの」や「人生を豊かにするもの」という考え,あるいは「夢なんてそんなに簡単に叶うものではない」という考えなど実に様々だと思います。

 ちなみにイチロー選手は「夢なんて叶うものではない。努力によりそれが目標に変わってこそ達成できる可能性が出てくる」と言っています。

 では松井選手はというと,「僕にとって夢を叶えるということ自体はそれほど大した意味を持っていません。それよりも『夢を叶えようと努力し続ける心意気』こそが大切なのだと思います」と述べています。それを聞いて僕は「その通りだな」と感嘆してしまいました。

 いつから「結果ばかりが求められる時代」になってしまったのでしょう。「結果が大切」「結果が全て」と言われ続け,むしろ逆に失敗したりそれが叶わなかった時のことばかり考えてしまい,今の子供たちは夢を描くことさえためらっているように僕には思えます。「本人が本当に望むことであれば,夢はどんなに大きくたっていい。そこにたどり着こうと自分なりに頭や体を精一杯使って頑張り続けることそれ自体にどれほど大きな価値があるか」そのことを大人たちはもう一度考え直さなければならないような気がします。少なくとも受験業界に身を置く者として,この事は身につまされる問題です。

 創優会もまもなく開講から2年となりますが,その間の僕自身の率直な体験として「結局,物事はやってみないと何もわからない」という思いがあります。ですから,子供たちみんなが夢を抱いて,「叶うかどうかはわからないけれどとにかくやれるところまで精一杯やってみる」と思えるように,そしてそれをあらゆる思考や行動のスタンダードにできるように,僕は子供たちと接していこうと思っています。

 僕は欲張りなので大小たくさんの夢があります。その中の一つが,「今年の夏を塾生全員にとって『あの夏から全てが始まった』というターニングポイントにする」ということです。実現できるよう,全力で頑張ります。