NO.98 H30.7.21

前々回・前回と2週続けて「考える力=自問する力」と「理解する力=自答する力」について書きました。

 

僕が伝えたいのは、

「『理解する力』も確かに重要だけれど、『考える力』も同じくらい重要だ」

ということです。

 

なぜなら、『考える力』がなければ

「言われたことしかできない人」になってしまう可能性が高いからです。

 

仕事ができない人の代表例としてよく語られる「言われたことしかできない人」。

一見「やる気のない人」のように見なされがちですが、僕はそう思いません。

小さい頃から主体性がなく(受け身で)、自分から問いを立てることができないため、

「やる気はあったとしても、言われたことしかできない」ようになってしまっているのです。

 

たとえば、上司から「〇〇の書類を作っておいて」と命じられたとします。

ここで、自問できる人なら

「上司はどういう書類をほしがっているのだろう?」や

「どういう書類が見やすく、使い勝手もいいだろうか?」などとまずは自ら「?」を出し、

それに対して「じゃあ、こうやってみよう!」と自答して(イメージして)から仕事に取りかかります。

自分なりの創意工夫やアイデアをふんだんに盛り込んだりもします。

 

けれども、自問できない人には、何もありません。

「?」が浮かばないのですから、「〇〇の書類」をただなんとなく作ることしかできないのです。

たとえやる気があっても、「?」が浮かばないのですから「!」の出しようがないのですね。

こうして、本人の意識とは無関係に「言われたことしかできない人」は生み出されていきます。

しかも、当の本人は「自分が『言われたことしかできない人』だと思っていない」か

「自分が『言われたことしかできない人』だと認めない」か

「『自分は言われたことしかできないな』とわかっていてもそれしかできない」かのどれかなのです。

その状態を「当たり前」としてずっと生きてきたのですから。

 

このように、「言われたことしかできない」というのは、やる気の問題でも人間性の問題でもなく、

ただ単に「日本の教育がもたらす構造的な問題」です。

(子供の頃僕も母親に「先生に言われたとおりにするのよ」と言われていたことを今思い出しました…)

 

でも、このお便りを読んでくれている塾生のみんなにとっては何も問題はありません。

「どうすれば『言われたことしかできない人』にならずに済むか?」はもうわかっているはずです。

とにかく「自問できる人」になればいいのです。そして「自答できる人」になればいいのです。

自分で「?」を出せる。そして自分でそれに「!」を出せる。

こういう習慣を身につけることで、勉強が飛躍的にできるようになるのと同時に、

仕事ができる人(世の中に必要とされる人)へと確実に近づいていけます。

 

26日から始まる夏期講習をその「自問」と「自答」のトレーニングにしましょう。

僕もそのことを頭の真ん中にすえながら、毎日みんなと向き合います。