NO43 H29.4.15

「本を読むことの面白さ」について,最近改めて気づかされることが多いです。

 

一般的には,「知らなかったことがわかる」というのが本を読むことの面白さだと思います。

それは「知識が増えていく」という面白さですね。

あるいは,小説を読むなら「ストーリーを追う」という面白さはもちろん,

「様々な人間の心の機微に触れられる」という面白さもあると思います。

 

そういった面白さを僕も常々味わっています。本当に面白いと思います。

けれども,僕にとってはまた違った面白さが本にはあります。

それは「なんとなくわかっていたことをはっきりと認識できるようになる」という面白さです。

それは言いかえると,「著者に言語化してもらう」という面白さなのだと思います。

 

本を読んでいくうちに,自分がおぼろげにしかわかっていなかったことを

「自分が日常的に使用している言葉」を用いて著者が明快に説明してくれる。

この時の「そうなんだよ!この言葉を待っていたんだよ!やっとわかったよ!」という喜び。

この喜びがあるから僕は本を読んでいると言っても過言ではありません。

 

たとえば,僕はサッカーを観るのが好きで,先日もサッカー戦術に関する本を読んでいたら,

「自分がなぜAという監督のサッカーが好きで,Bという監督のサッカーが好きではないのか」

ということについて,腹の底からわかったと思える言葉と出会えました。

それまでなんとなくはわかっていたのですが,そこで一気に理解できました。

その結果,「自分はサッカーに何を求めているのか」ということまでわかってきました。

 

そうやって「本を読むことによって物事に対する自分の認識が深まっていく」ということが

僕にとっては面白いのだと思います。

同時に,対象への認識が深まれば深まるほど「自分自身に対する認識も深まっていく」

つまり,「自分が何者かがわかってくる」ということも付随します。

このことも僕にとっては大切なことなのです。

 

いくつか挙げましたが,本にはまだまだ数えきれないほどの面白さがあると思いますし,

それこそ僕がまったく知らないような面白さも多々あるはずです。

 

おそらく読書には「読者を刺激し,世界観を形成してくれる」という素晴らしさがあるのでしょう。

これからも本から多くを学んでいきたいと思いますし,

学びの森のみんなにも,もっともっと本の面白さを伝えていきたいですね。